「ポテサラとカレンダー」 [雑記]
何かしら、穴蔵のような店でした。たぶん、天井が低かったのか、客がふざけて買ってきた旅行土産の提灯やらなにやらがぶら下がっていたからなのもしれません。
その店の、いっそう奥のテーブルで、よく飲んでいました。
ご近所バーの流れだったのか、よく覚えていませんが、最初の店としていくことはありませんでした。
行くのは、大抵飲んだ後の夜遅く。
よく頼んだのが、ポテトサラダ。
てるんこは、小皿に胡椒を頼み、私はとんかつソースを手に取り、どうやって食べるかで喧嘩ばかりしていました。
なんで、あんなに真剣に喧嘩したのかよくわかりませんが、ふてくされた私がふいと目を遣るとその先に、なぜか大相撲のカレンダーがあり、醜名もしらぬ力士の桜色の乳首を見て、子どもの頃、真剣に見ていた力士のこと思い出しました。
いまは、理事長となったその力士の、水入りを経て鼻血を流しながら、奮闘努力した取り組みを今も覚えています。
髷が乱れたその力士を見た時、初めて、力士というのは髷の座りがよいように、頭頂を剃っているということを知ったのでした。
今は、すっかり相撲に興味はなくなりましたが、おつむが寂しくなった元力士をテレビなどで見かけるたび、そのことを思い出すのでした。
「のんべえ春秋」(木村衣有子・木村半次郎商店)を読んで。
コメント 0