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「コップらしいコップ」 [雑記]

 吹きガラスのそこにあるちょいとぼってりとしたあつみ。
 「ポンテ竿」(吹きガラスを拭くための竿?)がくっついている所を切り離しているために、ついたものだという。
 「佐藤吹きガラス工房」に取材した、木村さんの聞き書き。
 「乾杯をして、勢いよくどーんとテーブルにぶつけるものとして形が完成されているものだと思うんです。」
 「のんべえ春秋」に「居酒屋コップ」の写真が添えられているが、厚みが均一ではないコップをすかして、涼しげなキンミヤ焼酎の炭酸割り(Kagetsu割)がそそる。
 口触りの良さから、ビールのグラス、うすはりを使うところもあるけれども、私はくぃっと一口で飲める、ビール会社の販促品のグラスが好きだ。
 ざっかけない様子が、いかにも、一日を終えた勤め人の締めくくりにふさわしい気がする。
 などとといいながら、実は、ほとんどビールは飲まない。
 むしろ、ひと月半ほどいた、エディンバラで飲んだエールの臭みを懐かしく思ったりする。
 けれど、そのエディンバラのパブで使われていたコップもまた、取り立てて工夫された様子もない、たとえていえば、私が子供の頃家にあった、コカ・コーラのグラスによく似ていたのだった。おそらく、イギリスのパブで使われている、コップ(グラス) をまねて、日本で作ったものなんだろうけれど。
 子供の頃、叔母(姉の妹)がよく遊びに来て、そのとき、コカ・コーラの瓶入りが六本、紙の持ち運び用のパッケージに納まっていたものを持ってきてくれたものだった。
 あれはあれで、ハイカラな気分を味わったものだが、さて、あれは世界共通だったのか、あるいは日本人が考えた、「包み」の知恵だったのか。
 「のんべえ春秋」(木村衣有子・木村半次郎商店)を読んで。 

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